「好きな人が他の誰かと付き合っているので、別れさせてほしい」
「夫と別れたいので、女性を近づけて浮気させてほしい」

これらは興信所に時々、舞い込む依頼です。

しかし、ほとんどの興信所では、こういった依頼を断ります。まともな興信所ほどそうです。なぜなら、別れさせ工作は違法行為に発展する可能性が高いからです。

また、配偶者と別れたいがために別の異性を近づけさせて浮気をさせるというのは、自分が離婚したいがために離婚原因を自ら作り出す行為に他なりません。
そうなると、たとえ上手くいったとしても別れさせ工作を依頼したことが発覚すれば、裁判所では離婚や浮気の慰謝料請求を認めないという判決になる可能性もあります。

実際、TS探偵社や原一探偵法律事務所のように、大手のまともな興信所は別れさせ工作の依頼を全て断っています。そんなことをしても、依頼者のためにならないことを知っているからです。

しかし、人間は切羽詰まるとどれだけお金を積んででも願いを叶えてほしいと考える生き物です。特に叶わない恋愛感情は美化されがちなため、一層お金に糸目をつけない依頼者が多いのです。
そういった依頼者の思いにつけこみ、悪徳興信所が高額な料金をふっかけてくるのです。

もちろん、単なる浮気調査以上に別れさせ工作は準備や人員を割く必要があるので多少高いのは仕方がありません。しかし、数百万、お財布に余裕がありそうな依頼者の時には1000万近くの料金を請求してくるのは異常としか言いようがありません。

さらに問題なのが、トラブル時。
残念ながら探偵業界は消費者トラブルが多いというのが実情です。

依頼をキャンセルしたら高額なキャンセル料を請求されたり、ろくに調査をしていないのに適当な報告書だけで調査を終わらせられたりなど。

こういった時に通常の浮気調査の依頼であれば管轄の警察署や国民生活センター、その興信所が所属している探偵協会に苦情を言えば解決されることが多いです。

しかし、別れさせ屋の場合、探偵協会に所属自体していなかったり、公安にも届け出をしていないケースが本当に多いのです。しかも、依頼者側には別れさせ工作を依頼したという負い目もあるため、公的機関に相談がしづらいという状況もあります。実際、別れさせ屋の方から「依頼する方も違法行為になりますから、あなたが捕まりますよ」なんて脅迫をされるケースさえあります。

こうなると、被害にあった消費者としては国民生活センターくらいしか頼れなくなります。しかし国民生活センターには強制力がないため料金を返すように強くいうことはできません。結果として、消費者は弁護士を雇い裁判などをするはめになります。

裁判をしてお金がかえってくればまだマシで、別れさせ屋のようなグレーな活動をしている会社は、弁護士から通知がいくとすぐに行方をくらますことも珍しくないのです。

そもそも別れさせ工作は成功率が非常に低い仕事です。一説によれば40%もいかないという話です。浮気調査が9割以上の成功率を誇るのに対し、あまりに低確率です。

要するに別れさせ屋に依頼することはハイリスクローリターンと言えます。決して依頼しないようにしましょう。